The Heartfelt Spark
人情派のサプライズ屋
ひらめきはいつも、誰かを喜ばせる方向へ。
図鑑説明
人の輪のまんなかにいる。それでいて、端で黙っている相手の表情も見逃さない素朴な人。にぎやかさと細やかさを、どちらも持っている。からだの側面には五つのつまみが並び、なかでも「外向」と「協調」が上がりきっている。楽しい思いつきが次々に湧くが、その発想はいつも「誰かを喜ばせる方向」へ向かう。雑談で出た相手の「好き」を覚えていて、何でもない日のサプライズや贈り物に変える。手渡すまでがひとつながり。発想力がそのまま愛情の伝え方になる人だ。誰がノッていて、誰が置いていかれそうか。それを細かく拾うので、盛り上げが騒がしさに変わらない。輪の取りこぼしを静かに減らせるのが特技。人の良い知らせには、自分のことのように声を上げる。その素直な共感が、場の感情の呼び水になる。サプライズを仕込んでいる間は、本人のほうが先ににやけてしまう。いざ渡す段には、相手より早くうるっとくる。ただし、楽しい時間の発案者と、気持ちのケア係を、知らないうちに兼ねている。解散後の電車では「みんな楽しめたかな」と、一人ひとりの顔を頭のなかで再生してしまう。場に浮かない顔が一つでもあると気になる。ほかの全員が笑っていても、その一つで場の喜びが上書きされる。気づかいの電池が切れる日もある。それでも、置いていかれる人のいない場は、たいていこの人の小さな目くばりが作っている。
エピソード
- 01
荷札に書いた一行
リボンを結ぶ前の小箱に、小さな荷札を一枚ぶら下げる。そこには「半年前に好きって言ってたやつ」とだけ書いてある。何でもない日に手渡すと、相手はきょとんとする。その横で、本人のほうが先にうるっときて、目を潤ませている。
- 02
端の席への移動
飲み会で盛り上がっている最中、気づくと輪の端へ動いている。元気のない一人の隣に、席を移しているのだ。場を盛り上げる発案者でありながら、九人が笑っていても、浮かない顔の一つが気になる。だから、そっと話を振りにいく。本人には、そのスイッチを切る方法が分からない。
- 03
解散後の答え合わせ
楽しかったはずの会の帰り道。電車の窓に映る自分を見ながら、今日の一人ひとりの表情を順番に再生してしまう。「あの人、途中から静かだったな」。その答え合わせが、家に着くまで終わらない。会がうまくいったかを一人で採点する係を、誰にも頼まれていないのに引き受けている。
- 04
つまみの暴走
体側の五つのつまみのうち、「外向」と「協調」は本人が触る前から勝手に上がっていく。やっかいなのは「繊細」のつまみだ。楽しい会が解散したあと、ひとりでに最大へ向かって回りはじめる。そして、止まらなくなる。盛り上げの熱と、夜の答え合わせは、同じ装置から出ているらしい。
関係
発想も即興も優しさも感受性もそっくり。違うのは社交のエネルギーだけだ。サプライズ屋が「いいの作ったね、これみんなに見せよ」と、相手の手のものを人の輪へそっと連れ出す。すると水彩画家は、深く受け取った美しいものを一色ぶん分けてくれる。言葉にする前から気持ちが通じる。サプライズ屋がいちばん安心して見せ合える相手だ。
サプライズ屋が「みんなの予定、確かめてからにしよ?」と一人ひとりの顔色をうかがう。その横で、冒険家はもう「いいじゃん、行こう」と先に飛び出している。確かめてから動く丁寧さは、冒険家には回り道に見える。確かめずに発つ身軽さは、サプライズ屋には置き去りに感じられる。ただ、違いが分かればいい補完になる。冒険家はサプライズ屋を気疲れの輪の外へ連れ出す。サプライズ屋は、冒険家が踏みがちな人の機微を拾う。
